『虞美人草』を再読して過ごしました。

帰宅して昼食を済ませてから再び読書に取り掛かりました。今回の『虞美人草』への書き込みはZEBURAのSARUSA 0.7mmの水性ボールペンを使用しています。『虞美人草』は高山宏氏も指摘するように演劇作品として読み取るとすんなりと受け入れられるような気がします。
それにしても自我を主張する女性に対する漱石の嫌悪感には大いにのけ反ります。時代が違うのでしょうね。甲野さん、宗近君とリーグを組んで、藤尾にたらし込まれそうな小野さんをも「男性原理」の側へと連れ戻そうとするストーリーには、「オバサン的感性」の保持者を自負する私には、やり過ぎだという印象を持ってしまいます。(そうした、やり過ぎの感覚、ある種の逸脱の感覚、カオスを呼び寄せるまで突き進んでしまう漱石の過激さが、私をして漱石にこだわせるのかも知れません。)
夕方には駅前の洲原屋書店まで散歩を兼ねて出掛けました。今日は半藤一利著『漱石俳句探偵帖』(角川書店)と新井潤美著『自負と偏見のイギリス文化 J.オースティンの世界』(岩波新書)の2冊を買い求めました。家人と二人で何度も繰り返して見た「プライドと偏見」の原作者がオースティンです。新書を読むのが楽しみです。