3年生のゼミではブリュモンのテクストを精読しました。

大学に戻って一休みしてから遅い昼食を済ませました。・・・4限はフランス語5の授業です。今日はIさんは就職活動でお休みです。A君と二人で『星の王子さま』を原文で読み進めました。語り手のパイロットが王子さまについての知識を少しずつ増やしていくプロセスがテクストの中に繰り返して書き込まれています。このことは「知」を巡るテーマがこの書物の一つの主題になっていることを印象づけます。
5限の3年生のゼミでは野崎歓訳『ちいさな王子』(光文社古典新訳文庫)をテクストに使っています。今日はこの3、4、5章を輪読してから、マリーズ・ブリュモンの『『星の王子さま』を学ぶ人のために』(世界思想社)を精読しました。
こちらのテクストでも『星の王子さま』を「イニシェーション(あるいは修業)の物語」として位置づけています。その定義は「主人公が、彼を取り巻く世界や、他の人々や、彼自身について、とても重要な発見をするように導かれる物語」(p.29)ということです。私はこのところ漱石作品ばかり読んでいるので、学生諸君に例をあげて説明するときに、ついつい漱石の作品ばかりを取り上げてしまいがちです。(もちろん漱石作品もその多くが「イニシエーションの物語」としての面を持っています。