熊倉先生の読解を学生諸君に紹介しました。

takuzemi2009-06-04

午前中は教育実習生を受け入れてもらっている県内のM高校まで出掛けました。校長先生にお会いしてご挨拶をするためです。温厚な先生で色々な話を聞いてもらえました。訪問を終えてから大学に戻って、今日の仕事の段取りを固める作業に取り掛かりました。実習係のNさんと打ち合わせを済ませてから、実習委員の先生方とも打ち合わせの時間を持ちました。
早めの昼食を済ませてから、ハンドアウトと出席表をセットするために725教室に移動しました。研究室に戻って今日の授業で学生諸君に見せたいアイテムをかき集めました。数冊の漱石の文庫本や単行本です。
午後1時からの「文学」の講義では熊倉千之先生の『漱石の変身』(筑摩書房)の内容を紹介することにしました。漱石の『門』の筋書きを紹介してから、今まで出口のない暗い小説だと思われてきた『門』が、実は思いっきり明るくて暖かい物語として肯定的に読み取ることが出来るのだとする熊倉先生の読解を学生諸君に紹介しました。
象徴的な表現をていねいに解読して、細部を全体の中に位置づけていくという手法や、全体の構造を忘れることなく、時に距離を置いて作品の全体図にも目をやるという手法が、この『漱石の変身』という作品の醍醐味だと思います。ともかくスリリングな読解で、学生諸君にもぜひ(漱石の作品を読破した上で)挑戦してみて欲しいと話しました。