漱石の『行人』について語る予定です。

午後の会議の時間までは空きがあるので研究室で来週の「文学」のハンドアウトを作りながら過ごしました。来週は漱石の『行人』について語る予定です。悩める大学教授・一郎の視点からではなく、弟の二郎と一郎の妻・お直の二人の側からこの作品を読み直すことの可能性を示唆している伊豆利彦氏の論文を紹介するつもりです。(『漱石作品論集成【第九巻】行人』(桜楓社)所収 伊豆利彦「『行人』論の前提」)
新潮文庫の『行人』の方も読み直している最中です。
ところでアラゴンの後期小説に『死刑執行』という作品があります。作者アラゴン自身の像をアントワーヌとアルフレッドの二人の人物に投影して、両者が相争うという設定です。一人の女性の愛を奪い合うというところも『行人』に似ています。『行人』の一郎と二郎の二人を漱石の二重人間と読んでみたい誘惑に駆られました。
さてさて、午後の2時40分からは文学部の「運営協議会」です。学部長のI先生の司会で会議が始まりました。今日もさまざまな議題が満載で会議は3時間半ほども長引きました。すっかりお疲れモードです。