漱石の『彼岸過迄』について話しました。

takuzemi2009-06-11

午後からの授業なので午前中は自宅の居間で読書をして過ごしました。佐々木雅発著『漱石の「こころ」を読む』(翰林書房)をしばらく読み続けました。昨日の会議の疲れが頭の中に残っているのか、読書は捗りません。早めに昼食を済ませて大学に移動しました。
昼休みの間に725教室に移動してハンドアウトと出席表をセットしておきました。研究室に戻って教材と教具を用意するのは定番の作業です。今日は漱石の『彼岸過迄』について思いついたことを自由に語ろうと思っています。
今日の「文学」の冒頭では15分ほどを使って人間科学部のSさんのアンケートを実施しました。卒業研究のためのデータを収集するための作業です。アンケートを済ませてから漱石の『彼岸過迄』について話しました。「風呂の後」「停留所」「報告」「雨の降る日」「須永の話」「松本の話」「結末」・・・と時系列に沿ってかなり詳しくストーリーを紹介しました。それから佐藤泉著『漱石 片付かない<近代>』(NHKライブラリー)からの抜き書きでまとめたハンドアウトに沿って大事な項目をチェックしました。
漱石の作品は何度も読み返されるべき作品です。読み返せば必ず新しい発見がある作品です。『彼岸過迄』についても同じことが言えます。初めて読んだ時よりも二度目に読んだ時の方が面白く読める。二度目に読んだ時よりも三度目に読んだ時の方が面白く読める。そんな気がするのが漱石の作品なのですね。