「スター・ウォーズ3」を観て楽しみました。

夕方には「スター・ウォーズ」のエピソード3を観て楽しみました。シリーズでは最後に作られた作品です。フォースを持った青年アナキンがいかにしてダース・ベーダーへと生まれ変わっていくのかという「変身譚」が語られます。アナキンと一緒に戦ってきたオビ=ワン・ケノービも「彼は暗黒面に堕ちた」と吐き捨てるように呟くしかありません。アナキンの妻パドメの出産と死の同期された場面も象徴的です。生まれた二人の子供がルークとレイア姫になることも予定調和的に書き込まれています。
大塚英志さんが『物語論で読む村上春樹宮崎駿』(角川oneテーマ21)で指摘しているように、ユング的な思考が色濃く反映されているという印象を受けました。グレマスの「行為者モデル」の中にさまざまな役割を挿入していって作り上げたような物語だとも言えるかも知れません。そして、「構造への挿入」による物語制作という手法は、もしかすると村上春樹の作品などにも当てはまってしまうのかも知れないとも思えます。大塚氏は上記の本の中で、村上作品を始めとする「八〇年代における「文学」の『スター・ウォーズ』化について」見事な分析を行っています。