『海辺のカフカ』を読んで楽しみました。

takuzemi2009-07-30

朝は4時に目が醒めてしまいました。居間の照明も点けぬまま、ベランダに背を向けてロッキングチェアに座り、文庫本に朝の光が差すようにして『海辺のカフカ』を読んで楽しみました。村上春樹さんの小説は読み始めると癖になるようです。習慣性があるのでしょうか。(この小説を真っ向から否定している小森陽一さんの『村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する』(平凡社新書)も同時並行で読み進めています。)
朝の8時45分には「おがつ鍼灸接骨院」に出掛けました。肩甲骨の凝りも多少は快方に向かっているとのことです。右腕の痺れも少しばかり軽くなっているような気がします。
帰宅して再び『海辺のカフカ』を読み始めました。田村カフカ少年が甲村図書館に通い始め、大島さんと知り合い、夏目漱石の全集を読み始めるあたりの描写が大変に面白い。村上春樹はパラレルな二つの世界を交互に描写するスタイルを偏愛しています。カフカ少年が『虞美人草』を読んでいる部分で、思わずにたりと笑ってしまいました。漱石のこの作品もまさしく二つの世界を交互に描写する構成を取っているからです。大島さんとカフカ君の対話に出てくる『坑夫』についての言及も面白く読めました。それにしても『坑夫』という小説はカフカ的な感じもしますし、ヌーヴォーロマン風の作品という感じもします。カフカの『流刑地にて』についての言及もあり、若いころに大好きだった作品なので、くすぐったくなりました。