『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』を読みました。

駅前の須原屋書店に立ち寄って、本を物色しました。著名な作家の宮本輝さんと京都の高雄病院理事長の江部康二先生との対談をまとめた『我ら糖尿人、元気なのには理由(わけ)がある』(東洋経済新報社)を見つけて、さっそく買い求めました。江部先生には数年前に開催された釜池豊秋先生の「さきがけ健康塾」で一度だけお目にかかったことがあります。(健康雑誌「わかさ」の9月号にも江部先生の「糖質制限食」の紹介記事があり、こちらも買い求めておきました。)
作家の宮本輝さんが糖尿病だったのは知りませんでした。宮本さんは推理作家の鏑木蓮さんから江部先生の『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋健康新報社)を教えてもらい、半信半疑ながらに糖質制限食を始めたのだそうです。初めてこの食事療法と出会ったばかりの人間のさまざまな驚きや戸惑い、疑問の数々などが作家の鋭い観察眼で語られています。私自身が糖質制限食を始めたころの記憶も宮本さんの体験からありありとよみがえってきました。それに対する江部先生のていねいな答えが分かりやすく語られていて、もう一つの「糖質制限食」入門とでもいった好著となっています。健康保険制度について、小泉改革による医療崩壊について、現代の食生活と心の形について、・・・興味深い話題の連続で一気に読了してしまいました。