『こころ』についてのK君のレポートを読みました。

takuzemi2009-08-16

古本を処分したいと思っても、残念なことに近所に古本屋さんがありません。読みそうもないと思われる本を思い切って捨ててしまうことにしました。造本が立派な高額の本も安い文庫本も同じ基準で判断しました。今後読みそうもない、あるいは読む必要がないという基準です。これで数本の本の束が出来上がりました。本棚にできた空間に、居間の床を占拠していた本を整理しました。(何だかいたちごっこです。)
家人が出掛けてしまったので、居間を独占してレポートの採点と取り組みました。「文学」の受講生は250名ほどもいるので大変です。全部を読み終わるまで、まだしばらくは掛かりそうです。
学生諸君の数多くのレポートの中で抜群の出来だったのは人間科学部臨床心理学科2年のK君の「文学レポート『こころ』を読んで−罪を背負った男たち−」でした。K君は指定図書の三浦雅士著『漱石 母に愛されなかった子』(岩波新書)や熊倉千之著『漱石の変身』(筑摩書房)などの読み込んだ上で、自分の考えをじっくりと書き記しています。何とA4で13ページにも及ぶ力作です。他にも『虞美人草』を取り上げて面白いものを書いた人もありました。漱石の用語の中から「気の毒」という言葉を取り上げて論じたものもありました。