『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』を読みました。

午後は『村上春樹河合隼雄に会いにいく』(新潮文庫)を読みました。村上作品には「影」などのユング的なイメージが頻繁に出没します。ユング派の分析家の河合氏と村上氏との対談には興味深いものがあります。お二人の対談の雰囲気はリラックスしたざっくばらんなものです。ほとんどフリートークと言っても良さそうです。
面白いのは『ねじまき鳥クロニクル』を書き上げたばかりの村上氏が、この作品についての解説めいた発言を繰り返しているところです。あらかじめ完成した青写真を用意するのではなく、さまざまな発見をしながら行き当たりばったりで書くのだという発言も興味深いものでした。「井戸」の壁を抜けるには体力が要るという発言や、この作品で初めて本格的な暴力が出てきたことを認める発言にも魅せられました。漱石の『門』の夫婦への言及や泉鏡花への言及も大変に面白く感じました。
夕方には近くのスーパーまで家人と買い出しに出掛けました。午後4時のタイムセールで「お刺し身盛り合わせ」が激安なのです。出掛けてみたら大勢のお客が詰め掛けています。幸い家人と二人で3パックの盛り合わせをゲットしました。実は今日は私の誕生日なのです。夜には一家でパーティーを予定しているのですね。