『ダンス・ダンス・ダンス』を読了しました。

昼休みには学生食堂が混雑します。食事をとるのは1時過ぎと決めて、昼休みは研究室で過ごしています。今日は日文科のSさんが多文化理解コースのゼミを希望して面談に来てくれました。しばらくお喋りをしながら、ゼミの運営方針などを説明しておきました。
昼休みの間にゼミの配布資料を用意しておきました。今日から『ちくま評論入門』(筑摩書房)の中から面白そうなものを選んで読んでいこうかと考えています。教材を選ぶのも苦労します。
5限の3年ゼミでは上記の本から、外山滋比古氏の「第一次現実」と内山節氏の「知性」を選んで読んでみました。欄外に要点がまとめてあるので大変に読みやすく感じます。楽しい時間を過ごしました。
帰路の電車の中で村上春樹さんの『ダンス・ダンス・ダンス』(講談社文庫)を読了しました。妻と離婚した語り手の「僕」は34歳になっています。自分と世界との継ぎ目を探すために札幌の「いるかホテル」を再訪します。自分と世界との齟齬を徹底して言語化していこうという村上作品の面白さに没入してしまいます。今回の作品では「僕」の魅力も素晴らしいのですが、脇役の「五反田君」と「ユキ」の造形も気に入りました。どちらも虚構というバーチャルな空間の中で奇妙な存在感を発揮していると思いました。