電車の中で村上春樹論を2冊ほど読み上げました。

川越に着いてJR川越駅を出ました。アトレ7階の「和幸」に寄って昼食を済ませました。それからサンロードを丸広百貨店の方向に向かって歩き出しました。古い町並みを楽しむつもりで出掛けてきたのですが、丸広前を通りすぎたあたりで冷たい雨が降り始めてしまいました。何だか寒けもするようです。「町歩き」を断念して「電車めぐり」に切り換えることにしました。
西武線本川越の駅に出て電車に乗りました。高校時代に毎日通っていた路線ですので懐かしい感じがします。車中では吉田春生『村上春樹、転換する』(彩流社)の読み残した部分を読みました。著者は『ねじまき鳥クロニクル』の第3部を評価していないらしく、「村上春樹独特のリリシズムの条件を生の内側から問うような声の響きを殺している」という竹田青嗣氏の否定的な評価を紹介しつつ、「モチーフの磁力の低下と不必要なストーリーの奔流」が認められると断定しているのです。大変に面白い本ですが、この辺りの評価は私には感触が違うと思われました。
所沢、秋津と乗り継いで電車で大回りする散歩となりました。気に掛かっていた読みさしの本を二冊も読めたので、今日の電車での散歩も悪くはなかったかと思い直しました。「雨降りなので電車にでも乗ってみよう」というわけですね。武蔵浦和まで戻ってから須原屋書店に立ち寄って、また2冊ほど新書を買ってしまいました。(写真は懐かしい本川越の駅です。)