昨年のゼミ生のH君がひょっこりと顔を見せました。

3番目に発表したYさんは「キャリアー支援課」で主催する90分の就活講座の講師を6回も担当してくれた頑張り屋さんです。卒論のテーマは「『星の王子さま』における井戸」というものです。作者の実人生とテクストとを往復しながら「井戸」のテーマをじっくりと考えるものになりました。
Hさんは「『どろぼうの神さま』〜大人と子供〜」と題してコーネリア・フンケ作のファンタジーを論じました。二人の登場人物スキピオとプロスパーの比較から「大人になること」の意味を考えようとしています。
WさんとMさんはそれぞれのテーマを頑張って追い詰めている最中です。最後の番になってしまったYさんは「ジャンヌ・ダルク〜後世に伝えられる存在と影響〜」と題してジャンヌ・ダルクを元型ないし祖型とする派生的物語についてまとめました。映画、絵本、漫画、アニメなどです。3年ゼミ生のSさんも参加してくれて楽しい発表会になりました。
予定していた時間よりも早めに発表会が終わってしまいました。研究室に戻って、ぼんやりとしていたら、昨年のゼミ生のH君がひょっこりと顔を見せました。卒論は書いたものの数科目の単位を落として留年してしまったという風変わりな学生です。「今年はどうだった?」と尋ねますと、「やるべきことはやれました」と立派な返事が返ってきます。H君の飄々とした慌てないスタンスには、せっかちな私は心配になってしまうことも良くありました。年寄りは若者たちを長い目で見る辛抱が必要なのでしょう。(写真は発表会の一コマです。)