文具はもっと質実剛健であって欲しいと思うのです。

年末の街の雑踏に紛れ込んで、群衆の中の無名の一人になってしまうのも面白い感覚です。午後は快速で大宮に出掛けて、人だかりのする駅のコンコースをしばしぶらつきました。それからLOFTに移動して、8階のジュンク堂でゆっくりと本を見ました。
演劇関係の本が余り見当たらないので少々物足りない感じがしました。岩波文庫でソポクレス『コロノスオのイディプス』、アイスキュロス『アガメムノーン』、アリストパーネス『女の平和』などを買っておきました。村上春樹さんの『中国行きのスロウ・ボート』(中公文庫)と『東京奇譚集』(新潮文庫)も買っておきました。
LOFTの文具売り場は残念ながら私の好きなスポットではなくなってしまいました。クリスマスからお正月に掛けての商品を集中して扱っているためかも知れませんが、「ふつう」の文房具が備えられていないという致命的な欠陥が目立ってしまうのですね。メモを取り、ノートを取り、文字を書き記すという当たり前の行動を支える道具たちが文房具です。華美ではなく奢侈でもなく、もっと質実剛健であって欲しいと思うのです。
武蔵浦和に戻って行きつけの「カフェ・プレーゴ」でご法度のビールをいただきました。ここのテーブルでは一日の日記の種を「走書体」で書き付けるのが習慣です。漁師でない私にも大漁の日やら不漁の日やらがあるようです。(写真は別所沼のメタセコイアの裸身です。すっかり冬の木立になりました。)