村上春樹さんの面白そうな短編を拾い読みしました。

takuzemi2009-12-29

居間で一番居心地の良いのは飛騨産業製の穂高シリーズのロッキングチェアー(商品番号C−63)の上です。初代のものは家人が結婚祝いにと従姉妹から貰ったものでした。狭山に住んでいたころに一家全員が代わる代わるに愛用したものです。武蔵浦和に引っ越すのを機に新しいものと買い替えました。現在使っているものは二代目なのですね。それでも十年ほど使っています。クッションが傷んでしまったので、インターネットで探して新しいものと代えました。また座り心地が良くなりました。
このロッキングチェアーに座って、お気に入りの文庫本を読んでいると、他には何にも欲しくないという気分になります。今日は朝からすっかり怠けてしまって、そんな時間を過ごしました。
今日は村上春樹さんの『東京奇譚集』と『中国行きのスロウボート』の中から面白そうな短編を拾い読みしました。ゲイであることをカミングアウトしたピアノの調律師が仲たがいしていた姉と和解する「偶然の旅人」、ハワイでサーフィン中に溺死した息子の面影を訪ねてハナレイ湾を旅する母親を描く「ハナレイ・ベイ」など楽しい作品が並んでいます。日常の中に非日常が滑り込み、現実の中に非現実が密輸入されることで、今まで見えていなかった現実の中のある部分が見えてくるという展開です。結末へと至る過程で主人公たちが自分の現実を発見し直す姿に打たれます。美味しいハーブティーのような味わいの短編集でした。