読書会ではランボーの「ことばの錬金術」を読みました。

takuzemi2010-01-27

寒い朝になりました。今日は武蔵野線の車窓からの風景を写生句にまとめてやろうと思い、メモ帳をポケットに忍ばせて家を出たのですが、なかなか良い句が浮かびません。難しいものですね。
大学に着いたら、研究室の前で読書会の相棒のFさんが早々と待っていました。
今日の「ランボー読書会」はランボーの『地獄の季節』の中から「錯乱II ことばの錬金術」の再読の作業を開始しました。『地獄の季節』の九章の中で、ほぼ中央に置かれているこの章は、七編の自作の韻文詩を含む点でも注目に値する重要な章です。自分が作った詩編を過去の「愚行」と切り捨てながら、引用しつつ配置して提示するという一点では救い上げている訳でもあります。自己を否定するベクトルと肯定するベクトルとの相反する運動が一つのテクストの中にざわめいているのです。
韻文詩がまた素晴らしい!「鳥たち 家畜の群れ 村の女たちから遠く離れて」の一行で始まる詩編は別バージョンでは「涙」と題されているものですが、原文のLoin des oiseaux, des troupeaux, des villageoises,・・・の中に繰り返されている「oi」(ワ)の音が何ともけだるい倦怠感を盛り上げていて秀逸です。90分間の楽しい時間を過ごしました。