デュラス原作の映画『太平洋の防波堤』を見ました。

早めの昼食を済ませて、午後は大学に移動しました。暖かな天気で春のようです。研究室に着いて、ゼミ生諸君の卒論を読み始めました。なかなかの力作揃いで、一冊読了するのにかなりの時間が掛かります。今日は岡田淳の『雨やどりはすべり台の下で』を論じたTさんの論文とコーネリア・フンケの『どろぼうの神さま』を論じたHさんの論文を読みました。慌てて読むと読み方が雑になります。一休さんみたいに「アワテナイ、アワテナイ、ヒトヤスミ、ヒトヤスミ」で行きましょう。
卒論を投げ出して、図書館から借りてきた本に手を延ばしてしまうと、査読の作業はそこで止まってしまいます。しばらく漱石を論じた本を拾い読みして過ごしました。
余り仕事が乗らないので、早めに帰路に着きました。暖かな陽気になり、元荒川の土手を歩いていても、何とものどかな気分になります。
夜はTV5MONDEでマルグリット・デュラス原作の映画『太平洋の防波堤』を見ました。1930年代のインドシナに移民したフランス人の家族の物語です。夫に先立たれて、二人の子供、長男のジョゼフ(19歳)と長女スザンヌ(16歳)を育てている母をイザベル・ユペールが演じています。高潮に襲われると塩漬けになってしまう農地を守りながらの辛い生活です。投げやりな感じでタバコを吹かすユペールの表情がインドシナの風景に普通に溶け込んでしまいます。母親が亡くなった後に「白人の女性の稲田」が実るという結末です。それにしても「頑なな女」を演じるとぴか一の女優さんですね。(元荒川の河川敷のベンチも「ゆるい」感じです。)