塚本邦雄についてのMさんの論文を読みました。

家人と子供たちはお寿司を食べ、私はハンバーガーを食べて、昼食にしました。午後はバックパックに荷物を詰め込んで、大学に移動しました。暖かなお天気になり、首に巻いてきたマフラーも要らなかったかなと思いました。土曜日とあって、キャンパスも研究室棟もひっそりとしています。研究室に篭もって、まだ読んでいない卒業論文を査読する作業に取り掛かりました。
前衛短歌の塚本邦雄について、どうしても書きたいと気丈なところを見せたMさんの論文には驚きました。「父と子」「母と子」「夫婦」などといった「家族」のテーマに沿って塚本の作品を読んでいます。テーマごとに選んだ塚本の作品に自分なりの解釈を付けています。その読解がなかなかのものなのですね。良く読めているものだと感心しました。Mさんの論文は父も子もおのおのの孤独を生きよと強く主張するもので、通俗に流れぬ強力なメッセージとして読めました。
もう一本面白かったものは、ゼミでは欠席の多かったYさんの論文です。パチンコ産業を社会学的に考察するというもので、ゼミ担当教員の指導力の範囲を逸脱しているとも思われるものです。ところが「景品買い」などのグレーゾーンを法律的な面に関しても明確に調べた上で、自分なりの主張をしっかりと出しています。脚注もしっかりしていて、立派な論文に仕上がっています。
午後の4時過ぎまで頑張って、何とか卒論をすべて読み上げました。明日からは「ヨーロッパの文学」のレポートの採点に取り掛からなければなりません。受講生は200名を越えています。詩人ランボーではないけれど、「地獄の季節」が続きます。(暖かな陽気です。元荒川の対岸の風景も笑っているように感じられます。)