大塚英志『物語消滅論』を読みました。

takuzemi2010-02-15

寒い朝になってしまいました。小雨も降っています。午前中は自宅の居間で読み残したレポートを読む作業と取り組みました。数日間も連続でレポートを読み続けています。少々食傷気味です。
ノルマを片付けてから、大塚英志物語消滅論』(角川oneテーマ21)を読みました。<キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」>という副題がついています。大塚氏によれば「「物語」の単純さで世界を説明してしまおうという動きが急なように思われる」のだそうです。「イデオロギーを代行しはじめた「物語」にいかに抗していくのか」と氏は問い掛けます。「結論だけ示せば、ぼくは本書で「近代文学のやり直し」あるいは「再構築」が処方箋として有効だという考えに至ります。」(あとがきp.225.)と締めくくります。大変に刺激に満ちた啓蒙書でした。
数日前から春学期の講義録を充実させたいと真面目に考えています。本を読んでは毎日、抜き書きを作っています。このところ、ザウルスよりも文字認識ソフトの「読んでココ」の方が出番が多くなっています。大塚英志氏の上記の本や芳川泰久氏の「失われた冥府」(「ユリイカ臨時増刊 村上春樹の世界」所収)の抜き書きをスキャナーで作っているのですね。誤字を修正した上で、Wzエディターのアウトラインのフォーマットに手直しして完成です。必要な部分はワードに乗せて「maruman B5」のルーズリーフに印刷して、ノートに綴じ込んでいます。3日間でかなりの量が溜まりました。