『歌仙の愉しみ』(岩波新書)を楽しんでいます。

 研究費で購入した図書の登録が終わったと図書館の職員のSさんからのメールをいただきました。学科の台車を借りて図書館まで二往復しました。温かい日と寒い日が交互に到来する今日この頃です。昨日に打って変わって、今日は肌寒くなってしまいました。それでも重い荷物を台車に乗せてキャンパスを往復すると汗が出てきます。
 帰路は元荒川の河川敷に降りてみました。まだまだ冬枯れの季節だと思っていました。ところが、若草が結構、育ち始めているのですね。小さな草花が開花しているのにも気付かされます。「川のある町」というものも捨てがたいものですね。
 大岡信岡野弘彦丸谷才一『歌仙の愉しみ』(岩波新書)を楽しんでいます。余り慌てて読了してしまうのが勿体ない本です。少しずつゆっくりと読み進めています。三人の大御所の巧みな連句の展開には舌を巻くばかりです。自分で楽しんでいる「一人連句」の欠点が逆にこの本に映し出されてしまうという効果もあります。私の「一人連句」には、動きがない、情景描写が多すぎる、人事の意外性がない、ユーモアが足りない、軽みがない・・・などなどの欠点があることが分かりました。逆に言えば『歌仙の愉しみ』の中にはその全てが詰め込まれているのだと言えますね。この本を参考にして「一人連句」の恋句の並びをばっさりと切り詰めて、滑稽な句に置き換えて楽しみました。(写真は元荒川の河川敷で撮影した黄色い花です。春の兆しが少しずつ姿を現している様子です。)