大口を開けて笑っている写真がほとんどありません。

 午後はK歯科医院に出掛ける予定です。院長のK先生から歯を出して笑っている写真を数枚持ってきてくれと言われています。入れ歯を設計するときの参考にするとのことです。家人にも手伝ってもらって古いアルバムを調べてみました。ところが大口を開けて笑っている写真がほとんどありません。私はずっと歯並びの悪いことにコンプレックスを持ってきた鬱屈した人間だったのですね。数枚の口を開けて笑っている写真はいずれも飲み会での写真でした。アルコールが入って無防備となった映像なのですね。
 大型の傘を片手に南浦和に移動しました。K歯科医院では口腔内の様子をデジタルカメラで撮影してもらいました。それから私の立った姿勢もさまざまな角度から撮影してもらいました。こうしたデータも「噛む」という一点に関係しているとの院長の説明です。この歳まで生きてきましたが、今まで掛かった歯医者さんでは一度もなかった体験です。
 早めに治療が終わったので、まっすぐに帰宅しました。まだしばらくは本が読めそうです。大学図書館で借りてきた『探訪 村上春樹の世界』(ZEST)を読みました。斉藤郁男氏の写真と深海遙氏の文章で構成された写真集です。目白の和敬塾から始まって、村上春樹にちなんだスポットが写真で紹介されています。村上ファンには楽しい本です。学生諸君にも人気のある本らしく、貸出期限票の日付印は20件ほども押してあります。・・・ついでにPilippe SollersのIlluminasionsも斜め読みして楽しみました。引用のモザイクといったテクストです。