「走書体」のノートに作文の下書きを作って楽しみました。

takuzemi2010-03-13

 今週は大変忙しい一週間でした。今日は久し振りにお休みです。朝の起きぬけの時間は「走書体」のノートにワンテーマの作文の下書きを作って楽しみました。今朝のテーマは「小説の中に現れる作者の<私語り>について考えてみよう」というものです。漱石の『三四郎』やバルザックの『谷間の百合』などを思い出しながら、800字ほどの短文に考えをまとめてみました。後で推敲して講義録のデータに追加する予定です。
 アラゴンが自作の解説で用いている「紙=空間」という言葉を思い出しました。小説という虚構の空間の中でいったい何が起きているのだろうか?・・・と自問するためのキーワードです。例えば「紙=空間」の中では時間の流れも現実とは異なった不思議な流れ方を呈することになります。その辺のことを整理してみたくて、一時間ほどマインドマップを作って遊んでみました。
 金谷武洋さんの『日本語は亡びない』(ちくま新書)を読み始めました。カナダのモントリオールで日本語を教えている金谷さんには現場からの実践に基づいた日本語観が確立されているようです。前著『日本語に主語はいらない』(講談社選書メチエ)も大変に興味深く読ませていただいた記憶があります。新刊の『日本語は亡びない』では、先ずは水村美苗氏の『日本語が亡びるとき』に反論するところから著者は着手しています。日本文学が世界で受け入れられている例証として、モントリオール大学図書館所蔵の厖大な現代日本文学の仏訳本のリストが提出されています。これにはのけ反ってしまいました。