清水徹著『ヴァレリー 知性と感性の相克』を読了しました。

 清水徹著『ヴァレリー 知性と感性の相克』(岩波新書)を読了しました。「知性のひと」として語られるヴァレリーの四つの恋を追うことで、「感性のひと」としてのヴァレリーの一面を浮き彫りにしています。ヴァレリーの意外な顔を知りました。新たに刊行された研究書などの成果を盛り込んだ新しいヴァレリー像を伝えてくれる一冊でした。
 午後はPierre DaixのAragon avant Elzaを読みました。先日から断続的に読み続けているのですが、辞書を引き引き読んでいるのでなかなか捗りません。生涯の伴侶となったエルザ・トリオレと出会う以前の若きアラゴンの恋を、残された書簡や関係者の証言から跡付けるという作品です。興味が尽きません。
 夜には南浦和のK歯科まで出掛けました。今日は歯根の治療を専門とする先生が来診するという日です。特別の予約を入れています。夕方の6時から夜の9時までのたっぷり3時間余りの歯科の治療でいささか草臥れました。けれども、この歯科医院の治療方針は徹底してインフォームド・コンセントを守っていくというもので好感が持てます。
 夜は独り連句の種を少々考えました。アイデアが浮かばずに困った時には「借用」も有効です。先人の名句やら昔のことわざやらの一部を自分の句の中に折り込んでいくのですね。論文だと「剽窃」ということになるかも知れません。今日の3句はことわざを折り込んで作ってみました。自分で自分をゲームに誘うという面白さでしょうか。