「痴楽綴り方教室じゃあないの」と言うのですね。

 柳亭痴楽という落語家がいました。ずいぶんと昔の話です。語呂合わせや駄洒落の得意な咄家でした。言葉の遊びで観客を笑わせるタイプの芸人だったのですね。もっとも即興性は余り見られませんでした。ワンパターンの決まり文句の繰り返しが多くてマンネリを思わせました。
 「私はあなたを愛うえお、だから手紙を書きくけこ。やなら刃物で刺しすせそ、そして命を絶ちつてと。・・・」と何かストーカーまがいで物騒なのですが、小学生の頃に面白がってテレビで見たものでした。
 さてさて、独り連句では青年将校だった私の父を登場させたり、見知らぬご隠居を登場させたりして遊んでいます。横から家人に突っ込みを入れられてしまいました。「痴楽綴り方教室じゃあないの」と言うのですね。
 このところ午後になると身体がしんどくなります。気温の上昇下降が激しくて身体が慣れていかないためでしょうか。今日もしばらく和室に横になって怠惰な読書の時間を持ちました。読んでいるのは篠沢秀夫先生の『フランス文学精読ゼミ』(白水社)です。ゆっくりと味読を楽しみました。
 先日、狭山まで墓参に出掛けた折りに、幼なじみのK君と出くわして盛り上がったのでした。その時に実はK君の口から「テレビで篠沢先生のご病気のことを知った」との話も出たのでした。後で気が付いたのですが、K君のファーストネームは篠沢先生と同じ「秀夫」君なのでした。
 夕方には今日も定番となってきたDVD「漢詩紀行」を見ました。高校時代に習ったことのある漢詩は、45年ほども経っているのに、けっこう覚えているものです。我ながら記憶の不思議に驚かされてしまいます。