布団を被って『フランス文学精読ゼミ』を読んで過ごしました。

takuzemi2010-03-25

 未明から喉の痛みや咳で目が醒めてしまいました。どうやら風邪を引いてしまったようです。夜中に何度も起きて、水を飲んだり、うがいをしたりを繰り返しました。夜中に眠れなかったために、朝起きても頭がぼんやりしたままです。
 起きぬけに体温計で体温を計ってみました。37度を軽く越えています。普段は私は体温が低めな人間です。どうやら風邪なのでしょう。朝のうちに「ランボー読書会」の相棒のFさんに携帯のメールを入れました。「今日の読書会は中止をお願いします」という内容です。
 家人も今日は所要で午前中は外出です。一人でおとなしく横になっていなければなりません。布団を被って篠沢秀夫先生の『フランス文学精読ゼミ』(白水社)を読んで過ごしました。前半は「第一部 表層解釈の問題点−『地獄での一季節』にそくして−」と題されています。鈴木信太郎小林秀雄訳『地獄の一季節』の訳文を俎上に載せて、篠沢訳との対比を行っていくという手法です。鈴木・小林訳では話者の一人称を「俺」で統一しています。ところが篠沢先生は「おれ」「ぼく」「わたくし」「我」「自分」と揺れ動く口調の違いに従って、いくつにも訳し分けているのですね。ランボーの変幻自在の語り口を訳すには篠沢先生の方法の方が格段に優れていると思います。小林秀雄訳の雄々しい語り口の魅力も捨て難いのですが。・・・