加藤和彦さんのCD『ベル・エクセントリック』が届きました。

 amazon.co.jpに注文していた加藤和彦のCD『ベル・エクセントリック』が届きました。(本当はフランス語なのでエクサントリックと表記したいところなのですが。・・・)さっそくDELLのデスクトップを立ち上げて、i−Tunesに登録してみました。愛用のi−Podに転送しました。家人が近くのプールに出掛ける夕方の時間帯を利用して、大きめの音量で聴いて楽しみました。
 若いころの私は加藤和彦の「ヨーロッパ三部作」が大好きでした。二人の子供たちを育てている時期に良く聴いた記憶があります。田舎町で貧乏暮らしをしている若いパパにとって、加藤さんの描くコスモポリタンなイメージの世界が憧れだったのでしょう。パリのトロカデロ広場に行けない自分の代償として、加藤さんの「ヨーロッパ三部作」を聴いていたのかも知れません。
 時々、音程を外す加藤さんの声が好きです。低音域が良く出ないのも、私にとっては加藤さんの個性のうちです。楽しく『ベル・エクセントリック』を聴き、『パパ・ヘミングウェイ』を聴きました。そこでふと思ったのは、なぜ加藤さんが自死を選ばれたのかという重い問題です。「ヨーロッパ三部作」は実は「高等遊民」の世界が描かれているのですね。ヨーロッパのどこかのカフェで二日遅れのヘラルド・トリビューンを読んでいる登場人物も、実は自分の根を張る場所がない「デラシネ」なのです。もしかしたら天才・加藤和彦はしだいに自分の根っこを実生活でも見失ってしまっていたのではないかとも思いました。近々、注文してある『うたかたのオペラ』も届くはずです。それを聴いてから続きを書くことにしましょう。(アナログレコードとCDのジャケットを並べてみました。黄色と黒と青のジャケットは『パパ・ヘミングウェイ』です。)