少々物足りない思いでBook 3を閉じました。

 午後も『1Q84』Book 3を読み続けました。ゆっくりと読み続けて午後の3時には読了しました。以下は私の読後感です。残念ながら期待していたほどの読後のカタルシスが感じられませんでした。Book 3は冒頭から結末まで既視感に満ちた見慣れた風景が読者の目の前にどこまでも続いています。青豆や天吾がどのような行動を取っても読者が「すでに知っている」行動にしか見えないのですね。そうして、またしても「行きて還りし物語」が終わるのです。私は少々物足りない思いでBook 3を閉じました。最終章での天吾も青豆も読者に納得させるような形でのこれから生きていくパワーを獲得しているようには読み取れなかったのですね。
 とは言うものの上記の感想は私の無い物ねだりかも知れません。実を言えば3日前からBook 3を読む楽しみに浸り続けていたのは事実なのですから。「物語」に没入しすぎた頭を冷やすために駅の周辺まで散歩をかねた買い出しに出掛けました。須原屋書店を覗いてから近くのスーパーに寄るという定番のコースです。食品を買って帰宅しました。
 夕方には蜷川幸雄演出の『オイディプス王』を見ておきました。火曜日の授業の下調べです。オイディプスが自分の目を潰してからの場面を見ました。特典映像も見ておきました。これも学生諸君に見せたら、ギリシアの舞台のイメージが沸きそうです。(それにしても授業の仕込みが気に掛かる今日この頃です。)