言語学者・佐藤信夫氏のレトリック論を学びました。

 この『明暗』は漱石の死によって未完のままに残されてしまった作品です。ところが、書かれた部分を精密に読み解くことで結末を推理した人がいます。熊倉千之先生の『漱石のたくらみ』(筑摩書房)がそれです。学生諸君に「面白いよ!」と勧めておきました。
 ハンドアウトに沿って言語学者佐藤信夫氏のレトリック論を学びました。レトリックが持つ創造的な機能が分かりやすく語られています。漱石作品の冒頭の句を並べてみると、レトリカルな表現が並んでいるのが良く分かります。
 最後にDVD『ユメ十夜』の第4夜と第5夜を見て授業を終えました。雨も小降りになり、中庭には「キャンパス猫」たちが群れを作っています。
 3時前になって学生食堂に移動しました。遅い食事を取っていたら、クラスの学生諸君が声を掛けてくれました。食堂の一角でしばらくお喋りを楽しみました。
 角川文庫の『三四郎』に書き込んだマーキングや書き込みを岩波文庫の『三四郎』に赤のV-CORNで転記しました。今日はその岩波文庫を再読しています。新たなマーキングや書き込みは今度は青のV-CORNで行っています。楽しい作業です。今回の読書では「恋する三四郎」を素直に読み取れるような気がします。
 今日は一日、雨が降り続きました。夕方には帰路に着きました。元荒川も出津橋も小雨の中で霞んでいます。橋のたもとのアカメヤナギも雨に濡れています。武蔵浦和に戻ってから、カフェで一休みして帰宅しました。