シェイクスピアの『リア王』をところどころ拾い読みしました。

 昼食を済ませてから、DVDの『ハムレット』を少々見直しました。明日は学生諸君にも少しだけ見てもらう予定です。頭出しをする場面を選んでおきました。シェイクスピアの世界は「人の心が分からない」というテーマが色濃く主調低音となっています。例えば『リア王』がそれですね。「人と人とはすれ違い」というテーマもあります。こちらは『ロミオとジュリエット』でしょうか。愚かさや狂気から逃れられない人間存在への深い視線がそこには感じ取られるようです。
 気が付いたら歯医者さんの予約の時間が迫っていました。慌てて家を出て電車に飛び乗りました。幸い電車の連絡が良かったので予約の時間に何とか間に合いました。治療を済ませて武蔵浦和に戻り、駅前の須原屋書店で本を見ました。今日は山下一海『芭蕉百名言』(角川ソフィア文庫)と鎌田東二霊性の文学 言霊の力』(同)の二冊を買っておきました。
 夕方にはシェイクスピアの『リア王』(新潮文庫)をところどころ拾い読みしました。グロスターが目をえぐり取られる場面を初めとして恐ろしい描写が並びます。リア王と道化とを対置することで「愚かしさ」というテーマを絶妙に描きだしているのですね。恐ろしい一冊です。訳者の福田恆存氏の解説によると、この本は非常に構造的に作られた一冊らしいのです。暇を見つけて「構造分析」とも取り組んでみたら面白そうです。
 それにしても一日があっと言う間に終わってしまいます。何とも時間が足りないですね。読書に夢中になっていると一日がたちまち終わってしまいます。(写真はリンゴの花の姿です。鹿角市のリンゴ園で撮影したものです。)