野崎歓先生訳の『ちいさな王子』をゼミでは指定しています。

 午後は研究室で紀要論文を読んだり、『ちくま評論選』の中の評論を読んだりして時間を過ごしました。来週の火曜日に4年生のゼミで使う輪読のための教材を探しているのですが、なかなか納得の行くものが見当たりません。
 教育実習に出掛けているKさんとFさんのことが心配になってきました。まだ研究授業の日程についての連絡がありません。来週一週間で実習も終わるはずです。早めに確定してくれないと心配ですね。週末にでも自宅に連絡してみることにしました。
 5限の3年生のゼミではマリーズ・ブリュモン著『『星の王子さま』を学ぶ人のために』を読み進めました。『星の王子さま』の方は野崎歓先生訳の『ちいさな王子』(光文社古典新訳文庫)をゼミでは指定しています。その6章、7章あたりを精読してから、ブリュモンのテクストの方に入りました。
 語り手であるパイロットのナレーションは自分が6歳だったころの過去への言及や王子からの伝聞に基づいた過去への言及がない交ぜになっています。フラッシュバックによる過去の記述がナレーションに組み込まれているのですね。それらを編年体に組み換えて、年月の順を追ってエピソードを配列し直した図表がブリュモンのテクストに挿入されていて感心しました。それを眺めているとまさに作品の「構造」が浮かび上がってくるような気がします。・・・ゼミでは先輩のYさんが『星の王子さま』の「井戸」に着目して書き上げた卒論の抜粋も配布して読んでみました。(写真は別所沼のメタセコイアの森です。見上げるとクロロフィルが陽光を浴びて緑色に燃え上がっています。)