漱石の『道草』について語る予定です。

 今日の3限の「文学」の講義は漱石の『道草』について語る予定です。725大教室に移動してみたら、暑くて学生諸君も少々草臥れている様子です。講義は少々早めに切り上げて、後半はビデオを見ることにしました。先ずは『道草』の話しです。漱石自身の幼年期の寄る辺ない体験が主人公の健三の回想に見事に重ねられていることをテクストからの引用などを交えながら説明しました。自分はどこから来たのかという問を自問自答しているテクストなのですね。ビデオは谷川俊太郎さんとねじめ正一さんのお二人が自作の詩を朗読して競い合うという「詩のボクシング」を見ました。お二人のスピード感あふれる言葉のやり取りに大いにスイングしました。
 明日の3限には生涯学習センター主催の公開講座「多文化から見る夏目漱石」が予定に入っています。先週に一回目があり、今週は二回目となります。『虞美人草』から前期三部作の『三四郎』、『それから』、『門』のあたりを語りたいと考えています。受講生の皆さんも少数ですので、ゼミ形式で会話のキャッチボールを工夫したいものです。
 武蔵浦和まで帰って、久し振りに行きつけのカフェに立ち寄りました。このところ二週間ほど断っていたご法度のビールをいただきました。明日のセンターのハンドアウトを眺めながら、しばらく芒洋として過ごしました。