早々に図書館に逃げ出すことにしました。

 研究室に入ってクーラーのスイッチを入れました。ところが、なぜか「冷房」の状態になりません。温度を下げるように操作しても「送風」の状態に戻ってしまうのですね。本の整理などをする予定だったのですが、暑くて堪らなくなってきました。早々に図書館に逃げ出すことにしました。
 図書館では2006年に書きかけて、未完成のままとなっている自分の論文を再読しました。アラゴンの小説におけるコラージュの手法を分析しようというものです。残念ながらいまだに何かが足りないのですね。昔のテレビのコマーシャルに、青蛙が出てきて、「お前、ヘソねえじゃねえか!」と叫ぶものがあったかと思いますが、まさしくそれなんですね。コラージュ論を再読して、一休みしました。
 マインドマップを一つ作って、原稿の草案にまとめてみました。昨日の家捜しで出てきた昔のマインドマップも一つあります。これも原稿の草案にまとめておきました。この2点は帰宅してから、親指シフトのキーボードで打ち直すことにしましょう。
 エドゥアール・ベガンさんの博士論文も少々読み進めました。もう頭が良く働かなくなってきました。この辺で勉強は中断して、図書館の新刊コーナーから借りてきた平居謙『村上春樹の「1Q84 BOOK3」大研究』(データハウス)を少々読んで楽しみました。
 図書館を出て研究室に戻りました。自宅に何冊かの本を持ち帰るつもりです。データも選んで手提げに詰め込みました。帰路は気温もいくらか下がりました。息切れするほどの暑さではありません。元荒川沿いの桜並木を歩いていると、頭の上からセミの声が降ってきます。まさしく蝉時雨という言葉がぴったりします。(大学のキャンパスも人けがありません。三人の学生諸君が石のベンチでお喋りしていました。)