「視線のカスケード」と題された文章を読んでみました。

 昼休みには多文化理解コースのゼミを希望する学生諸君がゼミの様子を訊ねにやって来ました。コースの概要やゼミの運営方針を説明しておきました。それから具体的な使用テクストや卒業生の書いた卒論も見てもらいました。
 3限のフランス語6では「フランスにようこそ」の第11章を学びました。主人公のフランソワーズがニースのマルティネスホテルまで出張するというエピソードです。タクシーの中にバッグを置き忘れて、大いに困ってしまうという展開です。ビデオの始めの数章に比べると質量ともに難度が上がってきていると感じます。今日は何とか一回で一章を読み上げました。
 4限の4年生のゼミでは先輩の書いた卒論数点を持って行ってゼミ生の諸君にざっと目を通してもらいました。ディズニーアニメのヴィランズ(悪役)を論じたOさんの論文、イタリアのマカロニウエスタンをハリウッドのウエスタンと比較したT君の論文、そして『星の王子さま』における「井戸」を分析したYさんの論文などです。それぞれの論文の構成の方法などにも学んでほしいものです。
 残りの時間で『ちくま評論入門』の中から下條信輔さんの「視線のカスケード」と題された文章を読んでみました。「身体の情動反応が感情に先立つ」という内容です。「好きだから人はそれを見るのか、それとも見るから好きになるのか」という問いには、実験的に「見るから余計に好きになる」ことが裏付けられたと言うのですね。ゼミ生のみなさんも大いに面白がるような内容でした。放課後には「小論文を添削してくれ」と言って、英文科のK君がやって来ました。しばらくお喋りをして過ごしました。