それから村上春樹さんの「蜂蜜パイ」を読んでみました。

takuzemi2010-11-20

 昨夜の帰路には新越谷の旭屋書店に寄り道しました。新書本と文庫本とをざっと物色しました。村上春樹さんの『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫)と2011年版の「能率手帳クレスト3」を買っておきました。それにしても、もう来年の手帳を用意する季節になっているのですね。時の流れの速さに驚きます。
 土曜日の朝はM皮膚科ペインクリニックまで出掛けました。高層ビルに隣接する歩道を歩きました。ハナミズキの並木が赤い実を実らせています。可愛らしいものですね。朝の散歩という気分になりました。クリニックへは診察開始の5分前に着きました。何と一番に処置してもらえました。足の裏の魚の目もだいぶ楽になってきています。
 帰宅して新聞に目を通しました。それから村上春樹さんの「蜂蜜パイ」を読んでみました。高槻、小夜子、淳平の三人の関係は夏目漱石の『こころ』の三角関係に相似形を取っているようにも思われます。しかし結末はハッピーエンドなのですね。作中で淳平が高槻と小夜子との娘の沙羅に語る「熊のまさきちととんきちの物語」が淳平自身の現実の寓意となっていることは明らかです。この話しを聴いた小夜子は淳平に対して「私たちは最初からこうなるべきだったのよ」(中略)「でもあなただけがわからなかった。何もわかっていなかった。鮭が川から消えてしまうまで」(p.232)と語るのですから。そうすると鮭が取れなくなったとんきちくんは淳平の寓意として読めるのでしょうか。