「山本先生じゃありませんか?」と声を掛けられました。

takuzemi2010-12-26

 昨日のクリスマスには大宮のジュンク堂まで出掛けてみようと思い立ちました。大宮駅の東口の階段を降りて、横断歩道を渡ったところで、「山本先生じゃありませんか?」と声を掛けられました。見れば何と卒業生のO君です。O君は教育学部社会専修の卒業で、もう卒業して10年以上も経っているはずです。最後にお会いしたのは確か5年ほど前のことで、その時は埼玉大学近くの「カルテット」という児童施設に勤めることになったと報告してくれたことを覚えています。
 ゆっくりと話がしたいので、落ち着いたレトロな雰囲気の喫茶店を探しました。路地の先の古びた喫茶店に入って、O君の話を聴きました。O君は現在は川口の小学校に勤めているとのことです。以前から自閉症の生徒さんやダウン症の生徒さんなどを支えることに自分の使命を見出している人なのです。この10年間は数々の現場でさまざまな体験を積み重ねてきたことが、O君の言葉からもうかがえました。
 問題を抱えている生徒さんたちと全人的な関係を築いていきたいと考えているO君ですが、現実の中でさまざまの困難を抱えていることも事実です。その辺のことを語ろうとすると、O君は昔のように言葉を探しながら、ぽつりぽつりという語り口になってしまいます。正確に語りたいという強い意志がそこには感じられます。
 「明日からしばらくアメリカに行くんです。以前面倒を見たインド出身の生徒さんと会ってくるのです」と言います。大宮の通りの雑踏の中でO君と出会う確率はほんの小さなものでしょう。その僥倖を喜び合いました。