レイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』のことを思い出しました。

 演劇論の講義は思いの外、順調でした。エリザベス女王に仕えた魔術師ジョン・ディーについてもWebで調べておいた情報が役に立ちました。マーローの『フォースタス博士の悲劇』に関しても下調べが役立ってくれました。続いて『マクベス』の魔女たちの話しをしました。突然、レイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』のことを思い出しました。確かエピグラフとして『マクベス』の魔女たちの台詞「私が指をおっ立てれば、邪悪なものがやってくる」が書き込まれているはずだと思い出したのです。人間の頭の構造って、本当に不思議なものだと思います。
 4限の4年生のゼミではOさんが発表してくれました。『美女と野獣』を素材として、ボーモン夫人の原作とディズニーのアニメ映画とを比較してくれました。分かりやすい対照表をハンドアウトの中に書き込んで、他のゼミ生の諸君にも一目で分かるように工夫してくれました。一番面白かったのは両者の間での野獣の性格のギャップです。ディズニーの映画の野獣は「(美女の)ベルによって人間らしさ、人を愛することを学ぶ、内面から人間に変化する」のです。ところが原作は「外見が野獣から人間に変化しただけで、性格面での変化はなし」と位置付けています。明らかにディズニー映画の方が「主人公の変身」を明確に打ち出しているのですね。
 最後にゼミ生の諸君に紙を配って近況を書いてもらいました。教育実習から戻ったばかりの人もいます。公務員試験を頑張っている人もいます。企業就職に向けて活動している人もいます。若い力で頑張ってください。