宮古島出身のZ君が研究室に遊びに来ました。

 明日の「文学」の講義では漱石の『門』について語る予定です。ハンドアウトは熊倉千之先生の『漱石の変身』(筑摩書房)の内容を紹介する形で作ってあります。空き時間に『門』の冒頭の部分をゆっくりと読み返してみました。物語の終わりに近いあたりで主人公の宗助は安井の脅威から逃れて鎌倉の禅寺に逃げ込みます。そこで老師から「もっと、ぎろりとした所を持って来なければ駄目だ」と一喝されるのです。ところで冒頭の部分にも「ぎろり」の変奏らしき「ごろり」や「ぎらぎら」や「ぐるり」が書き込まれています。「G」の音の畳韻が読み取れるようです。漱石のテクストは詩的言語という観点からももっともっと読み直されるべきだと考えています。
 宮古島出身のZ君が研究室に遊びに来ました。きっかけは先日の「父母と教職員の会」の「一日大学」でZ君のお母さんが私に話しかけてくれたことでした。お母さんの話しではZ君は小学校教員の道を志望しているとのことでした。本人にも会ってみたいので、Z君に連絡しておいて欲しいとお母さんには言っておきました。Z君は卒業後の大学院進学も考えに入れている様子です。勉強法やスケジュール管理についてのアドバイスを一時間ほどお喋りしました。楽しい時間でした。
 二つの長い会議が終って帰路に着きました。バックパックに荷物を詰め込んで、3号館を出ました。2年前のロンドン研修で一緒だったS君とOさんにばったり出くわしました。二人とも教育実習を終えて、ほっとしたところだと言います。7月初旬には教員採用試験を控えているとのことです。準備が大変ですね。お喋りを楽しみながら北越谷の駅までご一緒しました。