「世界の結晶作用」と題された文章を輪読してみました。

 昼休みに小論文を添削してくれと言ってH君という学生がやってきました。また多文化理解コースのゼミを希望する学生諸君が3人ほどやってきました。学生諸君の話を聞いて、B6の紙の上に学籍番号、氏名、志望動機などを簡単に書いてもらいました。ゼミは少数精鋭が理想なのですが、最終的にどのくらいの規模になるのか見当もつきません。
 休み時間の間にもう一つ仕事が入りました。多文化理解コースのホームページを作成するための打ち合わせです。N先生、T先生と私の三人で簡単な打ち合わせを済ませておきました。文学部を紹介するパンフレットを少々手直しして原稿を作ることになりました。時間的な制約がある中でデッドラインを設定して仕事を一つずつ片付けていかなければなりません。「何事もたやすからずや」です。
 5限の3年生のゼミでは竹田青嗣先生の「世界の結晶作用」と題された文章を輪読してみました。スタンダールが『恋愛論』の中で用いた「結晶作用」という言葉を人生に意味を与えてくれる作用として読み替えています。欲望が人間に可能性を与えてくれる。可能性が人間に世界を与えてくれる。対象が実現可能な目標に変容することが結晶作用なのだと解説にありました。
 夜が落ちるのが早くなったと感じます。ゼミの終わった6号館を出て、暗いキャンパスを横切ると秋の虫たちの鳴き声がにぎやかです。武蔵浦和に帰り着いて駅の改札を出たら雨がしめやかに降り始めていました。