「ミルクワンタン」はこの人にご馳走してもらったものだったのです。

takuzemi2012-03-04

 ラズウェル細木さんという漫画家の方がいます。息子が気に入ってるらしく、『酒の細道』という漫画を何冊も買ってきます。私も大いに気に入っているので、その中の一冊「花見酒スペシャル」編を借りて読んでみました。第10話の「ガード下フルコース」まで読み進んで強烈な既視感に襲われて驚きました。主人公の岩間宗達君と連れのかすみちゃんとが二人して暖簾をくぐった「ミルクワンタン」の店に私も昔入った記憶があるからです。強烈なデジャヴュの感覚でした。
 15年ほど前のことです。日本フランス語フランス文学会関東支部の幹事校を私の大学が務めていたことがありました。支部の事務方を務めてくれていた方がフランス語教科書の出版社の社長さんF書房のFさんでした。このFさんという方が大変にグルメな方で、「ミルクワンタン」はこの人にご馳走してもらったものだったのです。
 居間のコンピュータを起動して、日記のフォルダーの中をエディターで検索してみました。1996年5月2日の雨の木曜日に東京中央郵便局から学会の選挙関連の資料を送付したとありました。その後でFさんの車に同乗して有楽町のガード下に移動したと日記にあります。「ミルクワンタン」の店の屋号まで漫画の『酒のほそ道』にでてくるのと同じ「鳥藤」が明記してありました。私の既視感は大いに根拠があったのです。