飛び込んできたのはレイ・ブラッドベリさんの訃報でした。

takuzemi2012-06-08

 昨日は帰りの電車に乗る前に南越谷駅で買った毎日新聞の夕刊をホームで開いたのでした。飛び込んできたのはレイ・ブラッドベリさんの訃報でした。実を言えば一昨日「ブラッドベリ初期ミステリ短篇集」と副題の付いた『お菓子の髑髏』(ちくま文庫)を買ったばかりでした。まだ第1話の「幼い刺客」を読み終えていないのですが。・・・
 ブラッドベリさんの『火星年代記』や『華氏451度』は大好きな作品でした。それから『何かが道をやってくる』ですか。ジムとウィルの二人の少年が出てきます。私は外向的で積極的なジムではなく、内向的で消極的なウィルに感情移入をしながら読んだ記憶があります。実はこの作品にはかなりの思い入れがあって、フランス語の訳本も注文して入手した記憶があります。
 短篇集で一番気に入っているのは『十月はたそがれの国』ですね。一つ一つの短篇がどれもスパイスが利いていて、かなり変なのです。題名は忘れてしまいましたが、交通事故などで人が死ぬと、それを見物に来る人々ががいる。しかも、その人々はいつも同じ人々なのだという短篇がありました。この短篇には本当に背筋が寒くなりましたね。
 ブラッドベリさんは少年小説も書いています。『たんぽぽのお酒』です。もうすぐ夏休みがやってくるという朝方に少年が家を出ると、風が運んできた蜘蛛の糸が少年の頬に触れるという場面がありました。まるで散文詩のような文章で私の記憶に残っています。ブラッドベリさんのご冥福をお祈りいたします。