ウィンダムの『トリフィドの日』などの本を読んだと書きました。

takuzemi2012-06-13

 昨日の私のブログでは小学校の図書室に元々社の『最新科学小説全集』があり、ジョン・ウィンダムの『トリフィドの日』などの本を読んだと書きました。実はトリフィドとは樹木の化け物の名前です。ある日、樹々が歩き始めて、人間たちを襲い始めるという奇想天外な物語なのですね。今朝は朝早くに家を出て、武蔵野線で移動を開始したのでした。列車の窓から外の風景を眺めていると驚異的と言っても良いほどの植物たちの繁茂が見られますね。「緑の王国」とでも言いましょうか。ピエール・ロストとの対談で作家のル・クレジオが次のようなことを語っています。
 「樹は魅力的なところを持っています いつまでも同じ場所におり 動くことなく いかなる運動 いかなるたぐいの自己肯定もせず非常に永い生命を生きるからです  人間はものすごく自己中心主義者で ものすごく異常な存在なので人間が自分のことと自分の小さな問題のことしか考えないということを知るとき また樹が誰にも迷惑をかけず 他のものから何も奪いもせず空に向かって枝を伸ばして立って満足しじっとしていることを知るとき樹は一種の不断の非難となりまた一種の理想ともなります。」(望月芳郎訳『ル・クレジオは語る』(二見書房)より。)
 ル・クレジオは樹が大好きで、確か『樹の国への旅』と題された絵本を書いていたと記憶しています。研究室の本棚を探してみたのですが、残念ながら現物は発見されませんでした。