ハンドアウトに沿って漱石の「夢十夜」の問題を考えてみました。

 午後からの授業ですが、強い風が吹き荒れているので早めに家を出ました。幸い武蔵野線も遅れることはありませんでした。北越谷に着くころは雨も上がって無事に大学に着きました。先ずは準備室の助手のMさんに来週の文学のハンドアウトの印刷をお願いしておきました。
 3限の文学の授業では冒頭の15分ほどを利用して人間科学部のSさんのアンケートを実施しました。それからハンドアウトに沿って漱石の「夢十夜」の問題を考えてみました。実際に「夢十夜」の中の「第三夜」を朗読して学生諸君にその雰囲気を味わってもらいました。最後の30分ほどの時間を利用してDVDの『ユメ十夜』の「第三夜」と「第四夜」を観てもらいました。なかなか面白い映像です。
 放課後は研究室で来週の演劇論のハンドアウトを点検しました。松岡和子氏のお書きになった週刊朝日百科「世界の文学」の文章を利用させていただいています。「『ロメオとジュリエット』の映画史」と題されたものです。来週はDVD鑑賞に重点を置いて授業を進めようかと思っています。
 来週の文学のハンドアウトも点検しておきました。佐藤泉氏の『漱石 片付かない<近代>』(NHKライブラリー)の第8章の「『彼岸過迄漱石の「物語」批判」からの抜き書きを再構成したものです。「私たちは、自分の<生>を意味のあるものとして把握するために、そこに物語のかたちを与えて理解しようとする」、だが「誰かが書いた筋書きを知らずに演じることによって主人公となっているのではないか」と佐藤氏は問い掛けています。これは小説による小説批判の試みだと言えますね。