ベランダから吹いてくる風もあり、暑さも気に掛かりません。

takuzemi2012-07-31

 朝6時半の気温は26度。ベランダから吹いてくる風もあり、暑さも気に掛かりません。8時前には気温は28度にまで上がりました。このくらいならクーラーなしでも仕事ができますね。朝は新聞を読んでから、レポートの採点に取り掛かりました。今日はなかなか面白いレポートがあり、採点者の私も楽しませてもらいました。
 中国文学科のGさんは村上春樹の『ノルウェイの森』の「装丁の意図」を分析してきました。Gさんのレポートを引用します。「『ノルウェイの森』の上巻は全体の赤の中に題名と著者名だけが緑色で印刷されており、逆に下巻は緑色の中に題名と著者名だけが赤になっている。」この装丁は著者の村上自身が手掛けていることを指摘した上でGさんは以下のように続けます。「血のような赤は「生」の象徴。そして直子が自殺した森の色、緑は「死」の象徴だ。つまり上巻の装丁を見てみれば「死(緑)は生(赤)の中にその一部として存在している。」これは【死は生の対極としてではなくて、その一部として存在している】という文中ゴチック体で印刷されている一文とも合致すると言うのですね。では登場人物の「緑」が死の象徴となってしまうのでしょうか。Gさんは「緑が自分の名前を話すときは必ずカタカナで表記されていること」に着目してています。そして「「緑」をそのまま用いるのでなくカタカナで用いることによって「死」が「生」へと反転している」のだと結論づけています。大変に楽しいレポートで読み甲斐がありました。