行きつけのRainbow Cafeに出掛けました。

takuzemi2012-08-22

 昨日の夕方にはノートを一冊と昔の私の紀要論文の抜き刷りを一冊持って行きつけのRainbow Cafeに出掛けました。中生のビールをいただいて30分ほど過ごすのが習慣です。持ってきた論文のタイトルは「アラゴンの小説技法(1)−方法としての「余談」について−」というものです。「アラゴンの小説技法」シリーズの第1回作品となった想い出深い論文です。おもにアラゴンの『オーレリアン』という小説を分析した論文です。
 『オーレリアン』はフランスでテレビドラマ化されていて、2回に渡って日本のTV5(テーヴェーサンク)でも放映されたことがありました。まだTV5がCS110°で放映していた頃の話しです。私はこの作品をハードディスク・レコーダーに録画して、2枚のDVDにも焼いて今でも大切にしています。
 「方法としての「余談」について」の論文を読み直していたら、アラゴンの『オーレリアン』の物語の要約をしている部分があります。その部分をカフェのテーブルで読み直していたら、突然頭の中にTV5で観た映像が浮かんだのです。何ともヴィヴィッドな感覚でした。この小説の主人公のオーレリアンとヒロインのベレニスの顔が頭の中に浮かんだのです。ベレニスという名前はラシーヌの『ベレニス』から取られています。結末は悲劇的であろうことは最初から見当が付きます。こんな風にしてRainbow Cafeで濃密な30分間を過ごしました。フランス文学を勉強してきて本当に良かったなあという気分になりました。