作家の中上健次が住んでいた路地も訪問しました。

takuzemi2012-08-25

 大学では先生方が各種委員という肩書きでさまざまな校務を担当しています。入試委員、教務委員、就職委員、教育実習委員・・・などですね。委員会がまだ部会と呼ばれていたその昔、私は入試部員を9年間も担当したことがあります。
 夏休みの間に指定校への挨拶回りに2泊3日で出張に出掛けたことを覚えています。名古屋の市立高校への訪問を皮切りに、松阪、新宮と紀州を南下します。新宮の東と西では電車の連絡が悪いので、この町でホテルに泊まり一泊しなければなりません。新宮の町を歩いてみたら天狗が空から降りてきそうな形の山々が町に迫っていました。
 「ゲーテ書房」という屋号の本屋さんを見つけて思わず微笑みました。作家の中上健次が住んでいた路地も訪問しました。懐かしい想い出です。翌朝の午前4時には大きな雷鳴で目を醒ましました。窓の外は大変な豪雨でした。天候が不安定な土地柄なのですね。
 昼食を済ませて再び列車に乗りました。紀伊田辺に近付くと車内放送で「みかんの花咲く丘」のメロディーが流れてきました。幼いころ、母に歌ってもらったことのある童謡です。田辺高校からは親切な先生にJRの紀伊田辺駅まで送ってもらったのを覚えています。その日のうちに神戸の私立高校を訪問して出張の仕事を終えました。震災後数年の神戸の街をあちらこちらと見て回ってから、駅構内のホテルに戻って一休みしたものでした。