3年のゼミでは斉藤環氏の「メディア幻想」を読みました。

 午後1時からのフランス語6では『星の王子さま』を原文で読みました。今日は第9章の王子とバラの花との別れの場面から読み進めました。バラの花が王子に向かって「あなただって、わたしに負けないくらいお馬鹿さん打たのよ。」(野崎歓訳)というあたりです。第10章からの星巡りのエピソードは王様の住んでいる星のことを少しだけ読んでおきました。最後にエリック・ロメールの『パリのランデブー』の第3話を見て授業を終えました。
 4限は空き時間です。研究室で5限のゼミのテキストを読んで時間を過ごしました。『ちくま評論選』に収録された評論を読んでいます。今回は斉藤環氏の「メディア幻想」を読む予定です。著者はメディアという幻想の覆いによって、私が「世界」から隔てられているのが現実だと断じています。リアルなものを体験しつつ生を全うするには何が必要なのかと考えてしまいます。
 5限の3年のゼミでは斉藤環氏の「メディア幻想」を読みました。二項対立しているキーワードを黒板に書き出しながら輪読を進めました。家族や地域社会といった「近景」と「遠景」をつなぐ「中景」としての「媒介的なるもの」が喪失されているという指摘に同感しました。これは漱石が『こころ』の中で主人公の先生が失ったものと同じものであるかも知れません。先生も叔父の裏切りで自らは望まずして東京で「個」としての生活を送ることになったのですから。最後にゼミ生の諸君にA4の紙に近況を書いてもらって、お開きにしました。