イザベル・ユペールがエマを演じる『ボヴァリー夫人』を見ておきました。

 午後の3限の「ヨーロッパの文学」ではフロベールについてお話ししました。『ボヴァリー夫人』と『感情教育』の粗筋を細かく説明しました。それからフロベールの生涯についてハンドアウトに沿って語りました。フロベールが幼年期を過ごしたのは父が外科部長をしていたルアン市立病院ででした。階段教室に並んだ死体を妹カロリーヌと眺めながら育ったのです。「女性を見ると、その姿が骸骨となって浮かぶ」というトラウマを残したのですね。最後の30分ほどを使ってイザベル・ユペールがエマを演じる『ボヴァリー夫人』を見ておきました。
 4限には人間科学部の研究生のT君が研究室にやって来ました。外国での大学院進学を希望している学生です。T君の推薦書を作り上げる予定でここ数週間何回も面談の機会を作ってきました。放課後には明日のフランス語6の教材を用意したり、3年のゼミで輪読する予定のテキストに目を通したりしました。
 帰宅して夕方のテレビを見ました。千葉県松戸市常盤平団地では65才以上の高齢者が4割を越えるとのことです。この高齢者の方々に選挙の争点を聞いていました。やはり経済を何とかして欲しい、消費税は止めて欲しい、年金の額が少ないなどの将来への不安の声が続きます。仕事を増やして欲しい、景気も良くして欲しいなどの切実な声が上がります。私も数年前に日本工業大学での総合講座で「平成生まれの高齢化社会」というお題をいただいて90分の授業をしたことがあります。「老い」を肯定できる発想の転換が必要なんでしょうね。誰もが老いるのですから。(出津橋の上では文教大学デジタルカメラサークルのデジビュの「デジブリッジ展」が開催されています。楽しい写真が目を楽しませてくれます。)