重松宗育さんの『星の王子さま、禅を語る』を読み始めました。

takuzemi2013-01-18

 大学ではセンター入試の準備が進められている頃です。私は今日一日は全学休講の恩恵をいただいて自由時間が楽しめます。朝一番にはLクリニック内科に出掛けました。待合室では昨日買い求めた重松宗育さんの『星の王子さま、禅を語る』(ちくま文庫)を読み始めました。49ページまで読み進めたら次のような下りに出くわしました。「死の床にあった高杉晋作が、『面白きこともなき世を面白く』と詠い出すと、看病していた野村東望尼が『住みなすものは心なりけり』と、あとをついだという逸話があります。ここには、人生の高みから見た童心があるように思えます。」・・・こんな部分に出会ったのです。
 実は今年の元旦と二日には下田の観音温泉まで一泊二日の小旅行に出掛けたのでした。家人と息子と私の三人連れです。元旦にはアルカリ泉質の肌がすべすべになる温泉をたっぷりと楽しんで、翌二日は伊豆急下田駅のロッカーに荷物を預けて下田の街の神社仏閣を巡って歩いたものでした。大安寺というお寺の境内で住職さんが書いたものでしょうか、手書きの文句が少しばかり気に掛かりました。「面白く事も無き世を/面白く住み為すものは/心なりけり」とありました。冒頭の「面白く」は「面白き」の誤記ではないのかと家人と解釈を巡って論争になったことも懐かしく想い出されます。それにしてもこの文句が高杉晋作と野村東望尼のやり取りだったとは知りませんでした。『星の王子さま、禅を語る』を手に取ったのも「他生の縁」があったからかも知れません。