キャンパスに降りてみたら北風が強くなっていました。

 午後の1時からのフランス語6では『星の王子さま』を原文のフランス語で読みました。今日は井戸の発見に続く第26章を読みました。小さな王子には「秘密の計画」があるのではないかとパイロットを恐れさせる伏線が現れます。それは黄色い小さなヘビに自分のくるぶしを噛ませて小惑星へと帰るという王子の決心です。井戸の横にある崩れかけた古い石壁にパイロットが歩み寄ってくいくと王子が誰かと話しています。「きみの毒、よくきくんだろうねえ? ぼく、あんまり長いあいだ、苦しまずにすむよね?」(野崎歓訳)と王子の声が聞こえてきます。壊れ物としての人間のはかなさが書き込まれている場面です。サン=テクジュペリの伝記映画も少々見ておきました。
 4限の空き時間にキャンパスに降りてみたら北風が強くなっていました。何とも大変な寒さです。自動販売機の飲み物でも買い求めようと思っていたのですが止めておきました。ブログ用のキャンパスのスナップをデジタルカメラで数枚撮影してから暖房の利いた研究室に慌てて戻りました。ゼミの始まるまでテキストの『ちくま評論選』の中の一篇を読んで過ごしました。なかなか難しい評論なので今日は手こずりそうな予感がします。
 5限の3年のゼミでは野谷茂樹さんの「なぜ物は落ちるのか」を読みました。アリストテレスの「物は本来的に固有な場所へとゆくべきものである」という考えを野谷さんは「里心理論」と名付けます。これに反してニュートン慣性の法則や加速度の法則は現象にレッテルを付けただけで物が落ちる理由を説明していないと野谷さんは指摘します。アリストテレスの方がより「科学の営み」と見做されるべきだという結論でした。