「光ヲ吸エ」を手帳に書き記して毎日繰り返して読んでいます。

takuzemi2013-02-07

 昨年の11月に大学時代の友人たちと浜松の館山寺温泉に出掛けました。温泉をたっぷりと楽しんだ後で翌日は浜松の名所旧跡を見て回りました。その中に龍譚寺という古刹がありました。何とも素晴らしいお寺です。小堀遠州が作った庭園が何とも不思議な異界を生み出していて感心させられました。友人たちと寺の縁側から庭を眺め降ろしていた時のことです。ふと振り返ると縁側の壁に奇妙な詩のごとき言葉たちが書き記されていたのですね。「光ヲ吸エ/朝ニ吸エ/夕ニ吸エ/体一パイ/力一パイ/日ノ光ヲ/月ノ光ヲ/星ノ光ヲ/吸イ込メ/果執無辺/究境常楽/自浄其意/坂村真民詩集より」というものでした。
 その時には坂村真民が誰なのかなども全く分からずじまいでした。しかし、これらの言葉たちは私の心の中に食い込んでくるような力を持っていたようです。片手に提げていたデジタルカメラでこの詩を撮影して帰宅したのを覚えています。ところが居間のデルのデスクトップで映像を開いても一カ所どうしても読み取れない部分があるのですね。そこでWebで調べてみたら無事に分かりました。完全版となった坂村真民の「光ヲ吸エ」を私は能率手帳の表紙の裏に書き記して毎日繰り返して読んでいます。また研究室のドアにも下手な手書きで書いたものを貼り付けて大学に出掛けるたびに目にしています。この詩は私にとっては仏教者にとっての般若心経のようなものなのかも知れません。これらの言葉たちによって生かされているような気がすることがあるのです。